今月ご紹介するのはモスクワのビデオグラファー、ダニル・ロウデンコ(Danil Roudenko)さんです。モーションエレメンツでのクリエイター名は‘danr13’。彼の作品はたくさんの人々が写っているのが特徴です。彼らはまるで「自分の物語を語られるのを待っている」かのように見えます。
ダニルは面白いと思ったシーンをいつもカメラに収めています。それではレンズの後ろに何があるのか、伺っていきましょう。
モーションエレメンツ: 今、どのようなプロジェクトをなさっていますか?
ダニル・ロウデンコ: ストック動画のクリエイターというのは、誰でも三つのPを念頭に仕事をしています。それはプリ・プロダクション、プロダクション、そしてポスト・プダクション。 私はちょうど一週間の撮影旅行から戻ったところで(行き先はイタリアとドイツでした)そのポスト・ワークをしようとしています。それからモスクワでの撮影の準備もあります。妊婦のクリップを撮る予定なんです。以前仕事をしたことのあるモデルが、そんな素晴らしい機会をくれたんです!
**ME:**仕事でもっともやりがいを感じる事は何ですか?
DR: 自由、ですね。いつ、何をするのも自由、というのは私にとって何よりも重要なことです。マイクロストックの世界が私にこの掛け替えのない自由をもたらしてくれています。
**ME:**制作のアイデアはどこから得ますか?最大のミューズは誰/何ですか?
DR: 欧州とアジアの映画が好きですね。特にイラン。それから独立系のアメリカ映画製作者たち、カンヌで金獅子賞を取るようなスタイリッシュで優れた広告などですね。
残念に思っているのはロシアには良い広告が無いことです。でも欧州の優れた広告は本当に最高です。何回でも繰り返し見たいようなストック動画や写真が10から15はあります。人間の実際の生活を映し出すような作品が好きなんです。白い背景に緑のリンゴを持っている手の図柄なんて言うのは苦手です。感情を強く追し出す表現も好きではありません。私はフォトグラフィーの世界では(それはビデオグラファーにとっても、たくさんのアイデアの供給源になります)マイクロストック自体よりその作者の方に関心があるのです。映像の中に物語や不思議なミステリーが語られる、そういう感覚が好きですね。
**ME:**いつから、どのようにしてストックを売るようになったんですか?
DR: 2012年の4月に始めました。Canon 5D2 カメラと二つの単焦点レンズ (35/1.4L と 100/2.8L IS)を買った後です。それまで映画やテレビ映画のエディタを10年ほどしていました。でも、その仕事には私の創造性を発揮できるような自由が無かった。そういう自由はストック動画を作るという仕事にならある、と知ったのです。
**ME:**あなたのお気に入りの作品はありますか?どの作品で、それがお気に入りである理由を教えてください。
DR: あります、これです。
ステディカムを使わないで撮影したものです。055X Manfrotto 三脚の二脚を私の肩に置き、残りの一脚を手に持ちました。息子は自分の役割をちゃんと理解して私の思い通り以上のものが撮れましたね。
ME: もしも、ドリームプロジェクトが与えられるとしたら、あなたは、どの機材・ソフトウェアを使って制作したいですか? そしてその理由は?
DR: それはもちろんプロジェクトの内容によりますが ???? もし万能の機材の話であれば、これを持っていきます。
- 24-70/2.8 mm レンズ (もっと小さなセンサーでも可) と、もっと持っていけるならイメージスタビライザー付きの70-200/2.8 レンズ。
もっとも、撮影の対象が事前に分かっているなら、それに合った単焦点レンズを選びますよ。 - 電子ジンバルのステディカム。固定にも動きながらの撮影にも使えるからね。それに私の動きももっと自由になるし。ドリーとかクレーンにはいつも妥協しなければならない時がある。
- リアルタイムのfps (毎秒フレーム)とスローモーションの撮影ができる機材でローノイズセンサー付きのもの。 (今は GH4を使っているけれど、宇宙には持っていかないな。このカメラにはあそこは暗すぎる。) 理想的なのは赤外線カメラ、でしょうか。価格以外に問題点はあるのかな?
**ME:**あなたのお仕事をどう説明されますか?
DR: 手短に言えば「シンプルな生活シーンの中に詩情を見つける」です。作り物ではない現実的な主題だけを撮影するというスタイル、ただしドキュメンタリー色が強くないように。ストック動画については、それは「夢」を描くことです。人間を撮ろうが乗り物やテーブルの上の物体を撮ろうが、その中に「夢」を探すことです。それが成功を呼ぶのです!
danr13さんの作品はこちらでご覧いただけます。