誰でも知っている世界的な画像ファイルフォーマット『JPEG』などを作成したJoint Photographic Experts Groupが、ラスベガスで開催されたNational Association of Broadcasters(NAB)Showにおいて、
新しい画像フォーマット『JPEG XS』を正式に発表しました!

2015年、ポーランド・ワルシャワで開催された第69回会議でJPEG XSの標準化の開始を発表してから3年。
ついに実用化される様です。

JPEG XSとは

オープンソースとして公開され、汎用のHDRコーディングフォーマットに対応し、
4k/60p、UHDのリアルタイム再生機能を備えたAdobe Premiere Pro CC用ソフトウェアプラグインとなるJPEG XSとは、一体どんなものなのか。

JPEG XSの売りは

・低レイテンシーで高画質を保つ
・少ない計算機資源・低消費電力でも動作する
・遅延が低く軽量にコーディングが可能

この3点です。

JPEG XSの画像の圧縮率は6分の1。
JPEGよりも低いものですが、その分画質は向上し、より効率的で高速な処理が可能になるとのこと。
つまり、解像度(4K・8Kなど)やフレームレートを向上させることができます。
Joint Photographic Experts Groupのメンバーで、スイス連邦工科大学ローザンヌ校の教授のTouradj Ebrahimi氏は「JPEG XSで画像を圧縮しても画質はまったく損なわれません。元の画像・映像と圧縮されたものは専門家が見比べても区別できないでしょう」と語ったそうです。

JPEG XSは何に使われる?

JPEG XSは処理が軽く低消費電力の為、WiFiや5Gネットワークを介したライブ配信やストリーミングに適している規格で、先ずは映画業界、宇宙開発、プロ級のカメラマンなどに提供されるそうです。

ハリウッドに拠点を置く映画・テレビ技術者協会(SMPTE)は既に、編集フォーマットとしてJPEG XSを採用することを検討しています。
現在、映画撮影などで利用されるハイダイナミックレンジイメージ(HDRI)に対応したビデオカメラは、hdr やexrなどの独自のフォーマットが採用されています。
個々のファイルを事前に変換する必要がありますが、JPEG XSを使用すれば、異なるデバイスで作成した画像を編集ソフトウェアに直接取り込むことができます。
映画編集の現場がスムーズになることは間違いありません。

宇宙開発の分野では欧州宇宙機関(ESA)の注目を集めています。
低消費電力で非常に高品質な写真を撮影できるJPEG XSは、宇宙探査でも活躍の場を与えらえることになりそうです。

上記分野での提供が上手くいけば、家電製品、ドローン、自動運転車、VR/AR、マルチメディア機器とテレビモニター・プロジェクターとの間の無線接続などの分野での提供も考えられています。
今後の展開も目が離せません!

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