それは方法がシンプルで費用もかからないということと、フォーマットやハードウェアの互換性の問題が少ないことです。

また、リニア編集のほうが良い場合もあります。例えば、2つのビデオを1つにしたいだけであれば、ハードディスク上でキャプチャして編集するよりも、テープからテープへ直接ダビングするほうが速くて簡単です。

リニア編集スキルを学ぶ事は、基礎知識や多様性を身につけることに繋がります。多くのプロ編集者は、初めにリニア編集を学んだ方が、全てに通用するオールラウンドの編集者になれやすいと言います。

リニアビデオ編集

リニア編集は、ビデオの最初から最後までを予め順序付けられたシーケンス通りに画像と音声を選択し、順序を決め、フィルムを完成させる方式です。リニア編集はビデオテープを編集するときに最も良く使用される方式です。ビデオテープはフィルムとは異なり、物理的にカットしたり、繋ぎあわせて新しい順番に変更することができません。その代わり、マスターテープに各所望のビデオクリップをダビングしなければならないのです。

たとえばA、B、Cの3つのソーステープがあるとしましょう。Cを最初に使用し、Bを2番目に、Aを最後に使用するとします。 まず、テープCの使用したいクリップ部分を再生し、マスターテープに同時に録画します。Cテープのダビングが終わったら、BとAのテープで同じことを繰り返します。

リニアビデオ編集のメリットとデメリット

リニアビデオ編集方式にはいくつか不利な点があります。第一は、マスターテープに一度録画してしまったら、あとからシーンを挿入したり、シーンを削除して間を詰めたりすることができません。マスターテープに変更を加えるには、テープの先頭からすべてを録画し直さないとならないのです。

第二に、現在のクリップを新しいものに置き換えたい場合、オーバーダビング(多重録画)になるため、2つのクリップは正確に同じ長さでなくてはなりません。新しいクリップが短かすぎると、長い分の古いクリップが再生の際に表示されてしまいます。逆に長すぎると、次のシーンに被さってしまいます。これを防ぐには、新しいクリップを既存のものとぴったり同じ長さにするか、最後まで編集をやりなおすかです。どちらも喜ばしい作業ではありません。また、オーバーダビングも画質が低下する原因となります。

しかし、リニア編集にも利点はあります。

それは方法がシンプルで費用もかからないということと、フォーマットやハードウェアの互換性の問題が少ないことです。

また、リニア編集のほうが良い場合もあります。例えば、2つのビデオを1つにしたいだけであれば、ハードディスク上でキャプチャして編集するよりも、テープからテープへ直接ダビングするほうが速くて簡単です。

リニア編集スキルを学ぶ事は、基礎知識や多様性を身につけることに繋がります。多くのプロ編集者は、初めにリニア編集を学んだ方が、全てに通用するオールラウンドの編集者になれやすいと言います。

ノンリニアビデオ編集

ノンリニアビデオ編集は、編集したいクリップにランダムにアクセスできる方式です。つまり、最終的なフィルムのどの部分でも、順序を気にせずいつでも編集することが可能なのです。ノンリニアビデオ編集では、編集中に元のソースファイルが失われたり置き換わったりすることはありません。編集者の決定を記録し、編集用のツールに操作を伝えることができるEDL(Edit Decision List)を介して行われます。リニア編集のように違う種類のコピーをいくつも作成しておく必要はなく、元の動画から様々なバリエーションのファイルを作成できる非常に柔軟な編集作業が可能です。また、実物のデータのコピーをもっていなくても、EDLを編集するだけで簡単にカットを変更したり、1つ前の編集に戻ることができます。様々なエフェクトを適用しても、データを繰り返し再エンコードする必要はないので、動画の品質低下の心配も無いのです。

ノンリニア編集は、リニア編集とは様々な点で異なります。

まず、ソース映像は編集作業の前に編集用コンピュータのハードドライブか、RAIDアレイに記録されます。

そして、映像はシーケンシャルに記録するのではなく、ビデオ編集ソフトウェアプログラムを使用してセグメントとして編集します。セグメントは、ドラッグアンドドロップ方式で自由に移動させることができます。

セグメント間にトランジションを入れることもできます。また、大抵のビデオ編集プログラムはローワーサーズやタイトルに使用できる何らかのCGやキャラクタージェネレーター機能を有しています。

編集作業中にはリアルタイムで進捗状況を確認できます。編集作業が完了して初めて、最終的にビデオに録画するのです。

ノンリニアビデオ編集は、リアルタイムでビデオに録画する必要はありません。また、作業中のビデオの他の部分の編集に影響なく個々の変更ができます。

ノンリニアビデオ編集のメリットとデメリット

ノンリニアビデオ編集方式には多くの利点があります。第一に、いつでも好きなフレーム、シーン、複数のシーンにアクセスができるということです。しかも編集する際にはオリジナルのビデオ映像にはまったく手をつけないので、いつでも元の状態に戻すことができます。第二に、ノンリニアビデオ編集方式には、編集の柔軟性があります。アイディアを何度変更しても、そのたびに最初から全部の作業をやり直さなくても、いつでも好きなところからやり直すことができます。第三に、リアルタイムで高解像度高品位のデータ処理ができない普通のパソコンでも、標準画質(SD)と高精細度(HD)の放送品質のビデオをとても素早く編集する事ができるのです。

ノンリニアビデオ編集方式の最大の欠点はコストです。専用のハードウェアとソフトウェアはそれほどかかりませんが、コンピュータとハードドライブはその2倍から5倍します。そのため、基本的なノンリニアビデオ編集パッケージの平均価格は$5,000 から$10,000もします。放送品質を求めるならその2倍の費用がかかります。しかし、ノンリニア技術が前進するにつれ、コンピュータとハードディスクの価格が下がるのと同様、近い将来デジタルビデオストレージと圧縮技術分野に大きな期待が持てるでしょう。

方式の選択

これでリニアとノンリニア編集方式の違いがわかりましたね。2つの中からあなたの編集ニーズにあったものを選ぶ準備ができました。しかし、プロダクションのタイプによっては、リニア編集方式がノンリニア編集方式よりも実は効率的であったり、ノンリニアの方がリニアよりも圧倒的に便利であることを覚えておいてください。なので、すぐにどちらかを候補から外さないでください。決める前に確実にリサーチしてくださいね。