名前:石坂アツシ

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映像作家。AEの書籍を多数執筆。ビデオ制作会社、CG制作会社を経てフリーに。 ビデオコンテンツやゲームなどの企画・プロデュース・演出を手がけ、2009年から映像作品の自主制作にも着手し、同年「週刊ヤングジャンプ30周年CMコンテスト」でグランプリを受賞。

<AEに関する主な著書> 『AEプロとして知っておきたい 効率&品質アップテクニック』(BNN) 『AE 空間演出技法』(ラトルズ) 『AE Standard Techniques 4 -Advanced Opening Works』(BNN)

<短編映画の代表作> 『春杣人(ハルソマビト)』SSFFA正式上映、米Taos Shortz Film Fes正式上映。 『ふるべのかむわざ』ニューヨークシティ国際映画祭正式上映、山形国際ムービーフェスティバル山形市長賞受賞

どのようなことにAEを使ってますか?

企業PVではオープニングやフリップ・アニメーション、映像作品ではコンポジットやモーショングラフィックス、と幅広く便利に使ってます。

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AEを使うきっかけは?

CoSa AfterEfeects 1.0から持っていたので、特にきっかけは無いんです。 その後、バージョンアップするごとに雑誌『MACLIFE』でレビューを書いていましたが、プレス資料をそのまま写すような文章は絶対に書きたくなかったので、新機能は必ずしっかりテストしてからレビューしていました。

とはいえ、周りにAEを使っている人はいませんし、インターネットは産声を上げたばかりです。 わずかな資料を元に、とにかく使って使って使い倒して、新機能を理解し、文章にすると同時に図版用にサンプルも作っていました。

そのおかげで、AEの機能が「何をするために装備されているか」を明確に頭に叩きこむことができました。この事は非常に有意義だったので、自分が企画/執筆するテクニカル書籍は「何のためにその機能を使うのか」を理解してもらうことにも重点を置いています。

AEの魅力は?

これまでモーショングラフィックスや合成などの、数多くのソフトウエアが登場して、レビューや仕事でそれらを使いましたが、現在まで手元に残っているソフトは数少なく、その1つがAEです。 まぁ他のソフトが消えていったということもありますが、残るにはそれなりの理由があるんです。

自分の場合、その理由は「手にしっくりくる工具」のような感じですかね。 「よく切れる」「より多く削れる」工具も確かに便利ですが、個人でのクリエイトには、何より「手になじむ」ことが重要なんです。具体的にはUIや心地よい自由度ですかね。できることが少ないのは困りますが、カセのない自由になると、それはもうプログラムなんです。

ツールの基本的な決まりごとがあって、そこからさらに細かく手を加えていくことができる..という広がりの塩梅が自分にはちょうどいい感じで、その感覚が「手になじむ工具」に近いんです。 手に持ってしっくりくれば、そのまま「何か作れそう」というワクワク感へとつながりますよね。そういうソフトは素晴らしいんです。

余談ですが、映像系以外でそういった「手になじむ」感を持ちながら消えていったソフトはいくつかあり、とても残念に思っています。

よく使うツールや機能を一つ教えてください

現状では特に無いので、昔話を続けてもいいですか?

AE初期の頃、モーショングラフィックスはMacroMind Directorで作る方が簡単だったので、そちらを使っていました。映像合成が本格的に使えるようになったのは、デジタルで簡単に高画質映像が入出力できるDVフォーマットが出てからだと思います。それまでプロ映像の合成は、Infernoのあるスタジオにお願いしていました。

AEが実用的になったのは、Playstationなどのコンシューマーゲームが台頭するようになってからですかね。オープニング映像などでCGのレンダリング時間を節約するために、AEでレイヤーやパーティクルなどの合成をおこないました。その時に活躍したのが、サードパーティ・プラグインの「Cycore Final Effects」と「Knol Light Factory」です。

中でも「Cycore Final Effects」は、当時のAEではできなかったライトバーストやパーティクルの生成ができたので、そりゃもう頻繁に使いました。で、この超便利なプラグインは、その後標準機能として吸収されました。

エフェクト名称の前に「CC」とついているものがあるでしょ?それが「Cycore Final Effects」です。(CCはCyCoreの略)で、それら標準になった機能を、さらに掘り下げて登場したのが、Trapcodeのプラグイン群てわけです。

そんな時代を経た現在は、いろいろなタイプの映像に広く使っているので、ほぼすべての基本機能から用途に応じたものをチョイスして使っています。

医者が患者の様子を見て、瞬時に薬を処方できる感じ、なんて言ったら盛りすぎですね、失礼しました。全然その域まで行ってません。 でも、サードパーティ・プラグインにはあまり頼らず、かつ「この機能さえあれば!」という意気込みも特にありません。これはホントです。

作業環境を見せてください。

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物持ちがいい方なので、図のようにいまだにCoSa After Effects 1.0を使っています。 ウソです、ごめんなさい。でも図は本物です。このためにキャプチャーしました。ちゃんと動きますが、すぐに「Out of Memory」出ます。

作業環境のこだわりは特になにもありません。MacでもWinでも問題ありません。 ヘルプに呼ばれれば、その場のマシンとそこにインストールされたバージョンのAEで迅速に対処します。

これからAEを始める人へ一言お願いします。

AEをクリエイティブツールとして使うことを前提に話をしますね。

まず作りたい映像を見つけて、それをAEで作るための分析をしてください。

もしAEのプロジェクトファイルがアップされていたら、それをDLして解析します。 無いようでしたら、映像を構成する要素..オブジェクトの動きや輝きなど..を、チュートリアルを参考にひとつずつ作れるようにします。 そうすることで、頭に浮かんだ映像や目にした映像を、AEで作るための方法が出せるようになります。 この事に関して一言ではうまく説明できないので、機会があったら解説の場を設けたいと思っています。

また、下記の著書にて、より深く掘り下げて解説しています! よろしければ、こちらを参考にして、AEというソフトウエアを自分の工具として自由に使いまわせるようになってください。

『AE Standard Techniques 4 -Advanced Opening Works』

拙書『AE Standard Techniques 4 -Advanced Opening Works』は、テレビや映画で一度は見たことのあるオープニング映像をAEの標準機能だけで作るためのテクニカル本です。紹介しているのは初・中級のテクニックなので一見物足りないように思うかもしれません。が、その簡単な機能の組み合わせが重要なのです。 例えば車のアクセル、ブレーキ、ハンドルの操作をそれぞれ単純に覚えると、ただ急発進、急ブレーキ、カーブができるようになるだけです。それより、3つの操作をうまく組み合わせて華麗なコーナリングをしたくないですか?この本は、簡単な機能をうまく組み合わせて目的の映像にたどり着くテクニックを解説しています。そして、個々の操作説明の最初に「なぜその機能を使うのか」を説明するようにしています。これらが理解できれば、目にした映像と同じニュアンスのものをAEで作れるようになります。 ただ、かなり前の書籍なのでオープニング映像が古いのが難点です。新刊が出せるようにみなさんの声援を切にお待ちしております。

『AE 空間演出技法』

『AE 空間演出技法』では、AEを使って映像に空気感を与えるテクニックを紹介しています。かなりニッチな内容ですが、このテクニックを使っている映像と使っていない映像とでは画面の説得力に大きな差が出ます。また、操作を覚えるだけでは空間演出力を身につけたとは言えません。雨やチリといった演出要素の作成手順の冒頭には、その要素の映像原理について解説しています。 さらに、アニメーションやCMの第一線で活躍しているコンポジター、監督の方々にインタビューをしています。彼らはいずれもAEで華麗なコーナリングをすることのできる達人です。その方々の言葉から、空間演出をおこなう際の重要な心構えを知ることができます。 ちなみに、本書発売イベントとしてエヴェンゲリヲンでおなじみ株)カラーの撮影監督 山田豊徳さんとおこなったトークイベントの様子が下記でご覧いただけます。

『AE After Effectsプロとして知っておきたい 効率&品質アップテクニック』

AEの機能をひと通り理解した方の次のステップ用に『AEプロとして知っておきたい 効率&品質アップテクニック』を執筆しました。 プロらしい仕事の決め手となる「品質」と「作業効率」に的を絞って機能を紹介しています。 もちろん初心者にもわかるように解説したつもりなので、これからAEをはじめようという方もぜひ一度手に取ってみてください。少しでもお力になれれば幸いです。

あなたにとって AfterEffects とは?

タイトル通り「しっくり手になじんだ工具」ですね。 自分の求める映像を作るために一番最初に起動するのがAEです。

書籍情報 『AEプロとして知っておきたい 効率&品質アップテクニック』(BNN) 『AE 空間演出技法』(ラトルズ) 『AE Standard Techniques 4 -Advanced Opening Works』(BNN) 『AE 標準エフェクト全解』(BNN) 『AE 初級テクニックブック』(BNN) 『AE 標準テクニックブック』(BNN)

短編映画情報 『春杣人』予告

『ふるべ』(旧題『ふるべのかむわざ』)予告

『骨董夜話』予告

『スリープ・ジャンパー』予告